百人一首 恋の歌

百人一首の中で恋心を歌った歌は43首です。
43首の男女の内訳は、男性が29首、女性が14首です。

百首全体で男女の内訳は、男性79首、女性21首です。
当時の女性の暮らしぶりがほんのすこし垣間見られるような気がします。


■恋心を歌った歌は百首全体の中で43首
03 あしひきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む  柿本人麻呂
13 筑波嶺のみねより落つるみなの川 恋ぞつもりて淵となりぬる    陽成院  
14 みちのくのしのぶもぢずりたれ故に 乱れそめにしわれならなくに  川原左大臣
18 住の江の岸に寄る波よるさえや 夢の通い路人目よくらむ      藤原敏行朝臣
19 難波潟みじかき芦のふしの間も 逢はでこの世をすぐしてよとや   伊勢
20 わびぬれば今はたおなじ難波なる みをつくしても逢わむとぞ思ふ  元良親王
21 いま来むと言ひしばかりに長月の 有明の月を待ちいでつるかな   素性法師
25 名にし負はば逢坂山のさねかづら 人に知られでくるよしもがな   三条右大臣
27 みかの原わきて流るるいづみ川 いつみきとてか恋しかるらむ    中納言兼輔
30 有明のつれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし      壬生忠岑

38 わすらるる身をば思わず誓ひてし 人のいのちの惜しくもあるかな  右近
39 浅茅生の小野の篠原しのぶれど あまりてなどか人の恋しき     参議等
40 忍ぶれど色にいでにけりわが恋は ものや思ふと人の問ふまで    平兼盛
41 恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人しれずこそ思ひそめしか   壬生忠見
42 契りきなかたみに袖をしぼりつつ 末の松山浪越さじとは      清原元輔
43 あひみてののちの心にくらぶれば 昔はものを思わざりけり     権中納言敦忠
44 逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし  中納言朝忠
45 あはれともいふべき人は思ほえで 身のいたづらになりぬべきかな  謙徳公
46 由良の門を渡る舟人かぢを絶え 行方も知らぬ恋のみちかな     曾禰好忠
48 風をいたみ岩うつ波のおのれのみ くだけてものを思ふころかな   源重之

49 みかきもり衛士のたく火の夜はもえ 昼は消えつつものをこそ思へ  大中臣能宣
50 君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな     藤原義孝
51 かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを  藤原実方朝臣
52 明けぬれば暮るるものとは知りながら なほ恨めしき朝ぼらけかな  藤原道信朝臣
53 なげきつつひとりぬる夜の明くるまは いかに久しきものとかは知る 右大将道綱母
54 わすれじの行末まではかたければ 今日をかぎりの命ともがな    儀同三司母
56 あらざらむこの世のほかの思ひ出に いまひとたびの逢ふこともがな 和泉式部
58 有馬山猪名の笹原風吹けば いでそよ人を忘れやはする       大弐三位
59 やすらはで寝なましものを小夜更けて かたぶくまでの月を見しかな 赤染衛門
63 今はただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならでいふよしもがな   左京大夫道雅

65 恨みわびほさぬ袖だにあるものを 恋にくちなむ名こそ惜しけれ   相模
72 音に聞く高師の浜のあだ波は かけじや袖の濡れもこそすれ     祐子内親王家紀伊
74 憂かりける人をはつせの山おろしよ はげしかれとは祈らぬものを  源俊頼朝臣
77 瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末にあはむとぞ思ふ    崇徳院
80 長からむ心も知らず黒髪の みだれて今朝はものをこそ思へ     待賢門院堀河
82 思ひわびさても命はあるものを 憂きにたへぬは涙なりけり     道因法師
85 夜もすがらもの思ふころは明けやらで 閨のひまさへつれなかりけり 俊恵法師
86 なげけとて月やはものを思はするかこち顔なるわが涙かな      西行法師
88 難波江の芦のかりねのひとよゆゑ みをつくしてや恋ひわたるべき  皇嘉門院別当
89 玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば 忍ることの弱りもぞする    式子内親王

90 見せばやな雄島のあまの袖だにも 濡れにぞ濡れし色はかはらず   慇富門院大輔
92 わが袖は潮干に見えぬ沖の石の 人こそ知らね乾くまもなし     二条院讃岐
97 来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くや藻塩の身もこがれつつ    権中納言定家



■男性歌人の 恋心の歌は29首  (百首の中で男性歌人の歌は79首)
03 あしひきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む  柿本人麻呂
13 筑波嶺のみねより落つるみなの川 恋ぞつもりて淵となりぬる    陽成院  
14 みちのくのしのぶもぢずりたれ故に 乱れそめにしわれならなくに  川原左大臣
18 住の江の岸に寄る波よるさえや 夢の通い路人目よくらむ      藤原敏行朝臣
20 わびぬれば今はたおなじ難波なる みをつくしても逢わむとぞ思ふ  元良親王
21 いま来むと言ひしばかりに長月の 有明の月を待ちいでつるかな   素性法師
25 名にし負はば逢坂山のさねかづら 人に知られでくるよしもがな   三条右大臣
27 みかの原わきて流るるいづみ川 いつみきとてか恋しかるらむ    中納言兼輔
30 有明のつれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし      壬生忠岑
39 浅茅生の小野の篠原しのぶれど あまりてなどか人の恋しき     参議等

40 忍ぶれど色にいでにけりわが恋は ものや思ふと人の問ふまで    平兼盛
41 恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人しれずこそ思ひそめしか   壬生忠見
42 契りきなかたみに袖をしぼりつつ 末の松山浪越さじとは      清原元輔
43 あひみてののちの心にくらぶれば 昔はものを思わざりけり     権中納言敦忠
44 逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をも恨みざらまし  中納言朝忠
45 あはれともいふべき人は思ほえで 身のいたづらになりぬべきかな  謙徳公
46 由良の門を渡る舟人かぢを絶え 行方も知らぬ恋のみちかな     曾禰好忠
48 風をいたみ岩うつ波のおのれのみ くだけてものを思ふころかな   源重之
49 みかきもり衛士のたく火の夜はもえ 昼は消えつつものをこそ思へ  大中臣能宣
50 君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな     藤原義孝

51 かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを  藤原実方朝臣
52 明けぬれば暮るるものとは知りながら なほ恨めしき朝ぼらけかな  藤原道信朝臣
63 今はただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならでいふよしもがな   左京大夫道雅
74 憂かりける人をはつせの山おろしよ はげしかれとは祈らぬものを  源俊頼朝臣
77 瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末にあはむとぞ思ふ    崇徳院
82 思ひわびさても命はあるものを 憂きにたへぬは涙なりけり     道因法師
85 夜もすがらもの思ふころは明けやらで 閨のひまさへつれなかりけり 俊恵法師
86 なげけとて月やはものを思はするかこち顔なるわが涙かな      西行法師
97 来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くや藻塩の身もこがれつつ    権中納言定家


■女性歌人の 恋心の歌は14首  (百首の中で女性歌人の歌は21首)
19 難波潟みじかき芦のふしの間も 逢はでこの世をすぐしてよとや   伊勢
38 わすらるる身をば思わず誓ひてし 人のいのちの惜しくもあるかな  右近
53 なげきつつひとりぬる夜の明くるまは いかに久しきものとかは知る 右大将道綱母
54 わすれじの行末まではかたければ 今日をかぎりの命ともがな    儀同三司母
56 あらざらむこの世のほかの思ひ出に いまひとたびの逢ふこともがな 和泉式部
58 有馬山猪名の笹原風吹けば いでそよ人を忘れやはする       大弐三位
59 やすらはで寝なましものを小夜更けて かたぶくまでの月を見しかな 赤染衛門
65 恨みわびほさぬ袖だにあるものを 恋にくちなむ名こそ惜しけれ   相模
72 音に聞く高師の浜のあだ波は かけじや袖の濡れもこそすれ     祐子内親王家紀伊
80 長からむ心も知らず黒髪の みだれて今朝はものをこそ思へ     待賢門院堀河

88 難波江の芦のかりねのひとよゆゑ みをつくしてや恋ひわたるべき  皇嘉門院別当
89 玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば 忍ることの弱りもぞする    式子内親王
90 見せばやな雄島のあまの袖だにも 濡れにぞ濡れし色はかはらず   慇富門院大輔
92 わが袖は潮干に見えぬ沖の石の 人こそ知らね乾くまもなし     二条院讃岐


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百人一首 職位職名のある男性歌人

男性歌人で歌人名に職位職名のある歌人は
天皇&親王の8首を除いて、43首です。


■関白太政大臣(1)・太政大臣(2)
■僧正(1)・大僧正(2)
■法師(9)
■大納言(2)・中納言(5)・権中納言(3)
■左大臣(2)・右大臣(2)
■参議(3)
■朝臣(7)
■大夫(3)・従二位(1)

()内の数字は、登場する歌人数です。
職位の分類も人数のカウントもひとつの目安として下さい。
概略把握の参考にしていただければと思います。



■太政大臣
76  法性寺入道前関白太政大臣(藤原忠通 ただみち)
91  後京極摂政前太政大臣(藤原良経 よしつね)
96  入道前太政大臣(藤原公経 きんつね)

■僧正・大僧正
12  僧正遍昭(良岑宗貞 よしみねのむねさだ)
66  大僧正行尊
95  前大僧正慈円

■法師
08  喜撰法師
21  素性法師(良岑玄利 よしみねのはるとし)
47  恵慶法師
69  能因法師(橘永ト たちばなのながやす)
70  良暹法師
82  道因法師(藤原敦頼)
85  俊恵法師
86  西行法師(佐藤義清 のりきよ)
87  寂蓮法師(藤原定長)

■大納言・中納言・権中納言
55  大納言公任(藤原公任)
71  大納言経信(源経信)
-----------
06  中納言家持(大伴家持)
16  中納言行平(在原行平)
27  中納言兼輔(藤原兼輔)
44  中納言朝忠(藤原朝忠)
73  前中納言匡房(大江匡房)
-----------
43  権中納言敦忠(藤原敦忠)
64  権中納言定頼(藤原定頼)
97  権中納言定家(藤原定家)

■左大臣・右大臣
14  川原左大臣(源融 とおる)
81  後徳大寺左大臣(藤原実定 さねさだ)
-----------
93  鎌倉右大臣(源実朝)
25  三条右大臣(藤原定方)

■参議
11  参議篁(小野篁)
39  参議等(源等)
94  参議雅経(藤原雅経)

■朝臣
17  在原業平朝臣
18  藤原敏行朝臣
28  源宗千朝臣
51  藤原実方朝臣 さねかた
52  藤原道信朝臣 みちのぶ
74  源俊頼朝臣
84  藤原清輔朝臣

■大夫・従二位
63  左京大夫道雅(藤原道雅)
79  左京大夫顕輔(藤原顕輔)
83  皇太后宮大夫俊成(藤原俊成)
----------
98  従二位家隆(藤原家隆)



【補足】

49番歌人 大中臣能宣 または 大中臣能宣朝臣 の
大中臣(おおなかとみ)は氏名(うじめい)のようです。

中納言職に登場する権中納言の「権(ごん)」や、
朝臣(あそん)等など 職名に興味をそそられます。

「権」は、本官と権官をわけるための識別呼称(職位)でしょうか。
「朝臣」は、文字だけからイメージすると「朝廷の臣下(しんか・けらい)」と窺えそうです。


百人一首で12文字と一番長い名前の76番歌人 法性寺さんは
3人の前太政大臣(さきのだいじょうだいじん)の中で
唯一の関白が付きますので、前関白太政大臣(さきのかんぱくだいじょうだいじん)。
そして、この太政大臣の3人はすべて、入道に成る前は藤原姓なのが面白いです。

法性寺さんの僧侶前の名前が藤原忠通です。
この忠通に対して、藤原基俊(もととし)が 75番歌
「契りおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり〜」と歌っています。

この他にも、私の印象に鮮明なのは、
小式部内侍の 60番歌 は、
「65番 権中納言定頼が小式部内侍をからかった」 事への返礼の歌です。

百人の歌人間には、血縁関係のほかにも、いろいろと面白い関係の歌人が居ます。
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百人一首 生き物の登場する歌

小倉百人一首には、鳥・獣・虫、が生き物として登場します。
歌数としては、8首。

このうち
鳥は、4種。「山鳥・かささぎ・千鳥・ほととぎす」。
獣は、「鹿」のみ。
虫は、「きりぎりす」のみ。 (今の「コオロギ」のこと)

百人一首に登場する鳥は、山鳥(キジのこと)・かささぎ・千鳥・ほととぎす、ですが
一般に和歌などで、季節を代表する鳥をあげてみると次のようになります。
 春 … うぐいす  
 夏 … ほととぎす  
 秋 … 雁  
 冬 … 千鳥


■鳥 (5首。「山鳥・かささぎ・千鳥・ほととぎす、そして鳥全般」、1首ずつ)
03 あしひきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む  柿本人麻呂
06 かささぎのわたせる橋におく霜の しろきを見れば夜ぞふけにける  中納言家持
62 夜をこめて鳥の空音ははかるとも よに逢坂の関はゆるさじ     清少納言
78 淡路島かよふ千鳥のなく声に 幾夜寝ざめぬ須磨の関守       源兼昌
81 ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる     後徳大寺左大臣


■獣 (2首。2首とも 「鹿」 )
05 奥山に紅葉ふみわけ鳴く鹿の 声きくときぞ秋はかなしき      猿丸太夫
83 世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる      皇太后宮大夫俊成


■虫 (1首。「きりぎりす」 のみ)
91 きりぎりすなくや霜夜のさむしろに 衣かたしき独りかも寝む    後京極摂政前太政大臣



■関連メモ
この8首の中で、私にとって印象深いのは、
先頭に「生き物」の名前が、言い切り型で歌われている次の2首です。
81 ほととぎす 鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる     後徳大寺左大臣
91 きりぎりす なくや霜夜のさむしろに 衣かたしき独りかも寝む    後京極摂政前太政大臣



■きじ・かささぎ・ちどり・ほととぎす
         

■鹿・コオロギ・&(キリギリス)
      
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百人一首 秋が詠まれている歌

小倉百人一首で、秋を歌った歌・秋に歌った歌 は次の21首です。
この内、「秋」と言う文字がダイレクトに出てくるのは、12首です。


百首を大まかに分類すると、恋の歌 43、四季の歌 32、旅の歌 04、その他 21 となります。
その中の四季の歌の内、秋の歌は、16首です。
⇒  同じ語句のある歌など (の 2.共通点のある歌)

恋の歌、旅の歌、その他 にも分類された歌も含めましたので、21首になりました。


01 の田のかりほの庵の苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ    天智天皇
05 奥山に紅葉ふみわけ鳴く鹿の 声きくときぞはかなしき     猿丸太夫
17 ちはやぶる神代もきかず竜田川 からくれなゐに水くくるとは   在原業平朝臣
21 いま来むと言ひしばかりに長月の 有明の月を待ちいでつるかな  素性法師
22 吹くからにの草木のしをるれば むべ山風を嵐といふらむ    文屋康秀

23 月見ればちぢにものこそ悲しけれ わが身一つのにはあらねど  大江千里
24 このたびは幣もとりあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに     菅家
26 小倉山峰のもみぢ葉こころあらば 今ひとたびのみゆき待たなむ  貞信公
29 心あてに折らばや折らむはつ霜の 置きまどはせる白菊の花    凡河内躬恒
32 山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬ紅葉なりけり    春道列樹

37 しらつゆに風の吹きしくの野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける  文屋朝康
47 八重むぐらしげれる宿のさびしきに 人こそ見えねは来にけり  恵慶法師
69 嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 龍田の川の錦なりけり       能因法師
70 さびしさに宿を立ち出でてながむれば いづくも同じの夕暮   良暹法師
71 夕されば門田の稲葉おとづれて 蘆のまろ屋に秋風ぞ吹く     大納言経信

75 契りおきしさせもが露を命にて あはれ今年のもいぬめり    藤原基俊
79 秋風にたなびく雲の絶えまより もれ出づる月の影のさやけさ   左京大夫顕輔
83 世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる     皇太后宮大夫俊成
87 むらさめの露もまだひぬまきの葉に 霧たちのぼるの夕ぐれ   寂蓮法師
91 きりぎりすなくや霜夜のさむしろに 衣かたしき独りかも寝む   後京極摂政前太政大臣

94 み吉野の山の秋風さ夜ふけて ふるさと寒く衣うつなり      参議雅経


秋には歌心が駆り立てられるからなのかも知れませんが、
秋にからむ歌が多いのも小倉百人一首の特徴です。
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百人一首 「嵐」のある歌

小倉百人一首で、「嵐」が出てくる歌は次の3首です。


22 吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風を嵐といふらむ  文屋康秀
69 嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 龍田の川の錦なりけり     能因法師
96 花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり  入道前太政大臣



百人一首で「嵐」というと私の場合、秋をイメージします。
22番、69番、は秋の歌です。

ですけど96番は、「嵐」とか「雪」が登場しているのですが、
どうやら歌っている季節は、先頭の「花」から「春に詠んだ歌」のようです。
ただ、春に詠んだ歌なのですが、人生の老嘆を歌っている歌です。


96  花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり  入道前太政大臣

桜の花を誘って散らす激しい風が吹く庭。
そこに「降る」のは「雪」ではなく、
実は、「古」びて「行く」わが身なのだなぁ〜


この歌の女性歌人バージョンが9番歌だと感じます。

09  花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに  小野小町

歌人の性別は違いますが、ほとんど同じ様な情景&意味合いの歌です。
この感覚をYouTubeでマッチングさせたのが、「百人一首と ♪川の流れのように」 です。

小野小町というネームバリューもあって、
9番の歌なら、百人一首に関心を持っている多くの人は知っています。
でも、96番 入道前太政大臣の歌は小野小町の歌ほどには知られていないようです。


ほかに、「嵐」そのものではないですが、
「山おろし(山颪)」で相手の心のつれなさを歌った歌があります。

74 憂かりける人をはつせの山おろしよ はげしかれとは祈らぬものを  源俊頼朝臣

心冷たいあの人が、私に心を向けてくれるようにと、私は観音様に祈ったんだ〜
あぁ〜なのに、初瀬の山の山颪(やまおろし)よ、
あの人の心がお前のように、いっそう激しく冷たくなれとは、祈らなかったんだけどなぁ〜…


「あらし」は、「嵐」(風のアタマに山)ですが、
「おろし」は、「颪」という漢字があります。
「颪」は「嵐」にくらべ馴染みは少ないですけど、
「風」の上に付いて文字がヘリコプターのプロペラのようで面白い漢字です。

この二文字を大きく書くと、 嵐・颪 です。

こうしてみると、「颪」が「下ってくる風」。
あぁ〜それで、「おろし」かぁ〜となっとくしてしまいます。
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