百人一首 君がため

「君がため」が登場する歌は次の、2です。 (「君」という文字だけでも同じ)


15 君がため春の野に出でて若菜つむ わが衣手に雪は降りつつ  光孝天皇
50 君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな  藤原義孝



■光孝天皇(830〜887、生没年差 57 )について
58代天皇。即位期間は、884〜887。54代 仁明天皇の第三皇子。
14番歌の陽成院(57代 陽成天皇)の後を受けて即位。
春の七草でも摘んでいたのでしょうか〜。
若菜を贈る行為は相手の長寿を願う気持ちからの行為だったそうです。
この歌は、優しさ漂う歌。
ただ、思っている対象が女性か男性かは定かでないとのこと。
源氏物語の光源氏のモデルとして、14番 川原左大臣が有力です。
ですが、光孝天皇との説もあるくらいです。
春の七草…せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ。


■藤原義隆(954〜974、生没年差 20 )について
45番 兼徳公の息子。 (謙徳公は、26番 貞信公の孫)
光孝天皇の歌と同じく優しさを感じさせる。
義隆は仏道信仰に厚く、自ら殺生を禁じ、
魚や鳥の肉を一生食べなかったと伝えられ、心優しい人柄だったという。
ただ、974年の秋、この年に流行った痘瘡(天然痘)にかかり21才で早世。



■YouTube カノン パッヘルベル   優しさ漂う歌ということで添付してみました。



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百人一首 ひさかたの

「ひさかたの」がある歌は、2首です。


33 久方の光のどけき春の日に しづこころなく花の散るらむ      紀友則
76 わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波  法性寺入道前関白太政大臣



■歌の意味

33番 紀友則の歌
日の光がこんなにものどかな春の日に、
どうして桜の花だけが落ち着いた気持ちもなく、慌ただしく散ってしまうのだろうか〜。

76番 法性寺入道前関白太政大臣の歌
広々とした海に舟をこぎ出して眺めてみると
雲と見間違うばかりに 沖の白波が立っています。


■「ひさかたの」の意味
天、空、日、月、光、に掛かる枕詞。
はるかさをイメージさせる言葉。
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百人一首 わたの原

「わたのはら」がある歌は、2首です。


11 わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと 人には告げよ海人のつり舟  参議篁
76 わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの 雲居にまがふ沖つ白波  法性寺入道前関白太政大臣



■歌の意味

11番 参議篁の歌
大海原遙か、たくさんの島々の方に向かって舟をこぎ出して行ったと
都のあの人に告げてお呉れ、漁師の釣り船よ。

76番 法性寺入道前関白太政大臣の歌
広々とした海に舟をこぎ出して眺めてみると
雲と見間違うばかりに 沖の白波が立っています。


■「わたの原」について
わたの原…広々とした大海原、という意味。「わた」は海のこと。

11番 参議篁の歌での「わたの原」
大海原に点々と浮かぶ島々。さらのその合間にぽつりと浮かぶ釣船。
篁(たかむら)が嵯峨上皇の怒りをかい隠岐へ流される途中、
瀬戸内海の航海で詠んだ歌です。
釣舟が大海原の広さと対比され寂しさを醸し出します。

76番 法性寺入道前関白太政大臣の歌での「わたの原」
法性寺入道前関白太政大臣が、参議篁の歌を意識して詠んだ歌です。
ただし、篁の歌は悲しさ寂しさをあらわしているけれど、
法性寺さんの歌は、大海原の雄大な風景を詠んでいます。
この歌は、崇徳天皇(77番歌)の御前で「海上望遠」という題で詠んだ歌なので
「わたの原」がより一層晴れがましさを醸し出しています。
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もみじ (紅葉、もみぢ)

「もみじ」が歌われているのは、次の6首です。


05 奥山に紅葉ふみわけ鳴く鹿の 声きくときぞ秋はかなしき      猿丸太夫
17 ちはやぶる神代もきかず竜田川 からくれなゐに水くくるとは    在原業平朝臣
24 このたびは幣もとりあへず手向山 紅葉の錦 神のまにまに      菅家
26 小倉山峰のもみぢ葉こころあらば 今ひとたびのみゆき待たなむ   貞信公
32 山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬ紅葉なりけり     春道列樹
69 嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 龍田の川の錦なりけり        能因法師


もみぢ、紅葉、そのもので歌われているのが5首。
歌そのものが、紅葉のことを歌っているのが1首。(17.ちはやぶる)

百人一首は、恋心を歌っている歌が43首と多いですが、
自然を歌っている歌も多いです。
そのなかで四季を歌っている歌が32首ほど。  関連記事 ⇒ 百首の分類

このうちの半分、16首ほどが秋の歌。
ですので、秋の歌の内の、1/3ほどが、
紅葉が歌われている歌と言うことになります。
 

■美しい日本シリーズ 紅葉の京都・嵐山での優雅な琴演奏



■京都 嵐山近辺   by Google マップ 



■三室山&竜田川 近辺   by Google マップ


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百人一首 桜を歌っている歌

桜(さくら) を歌っている歌は、次の6首です。


09 花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに  小野小町
33 久方の光のどけき春の日に しづこころなく花の散るらむ       紀友則
61 いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重ににほひぬるかな       伊勢大輔
66 もろともにあはれとも思へ山桜 花よりほかに知る人もなし      大僧正行尊
73 高砂の尾上の桜咲きにけり 外山の霞立たずもあらなむ        前中納言匡房
96 花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり      入道前太政大臣


それぞれの歌の意味・解釈・解説は、百首一覧 を介してご確認いただけます。


■花、は6首
09 花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに  小野小町
29 心あてに折らばや折らむはつ霜の 置きまどはせる白菊の花      凡河内躬恒
33 久方の光のどけき春の日に しづこころなく花の散るらむ       紀友則
35 人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香ににほひける       紀貫之
66 もろともにあはれとも思へ山桜 花よりほかに知る人もなし      大僧正行尊
96 花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり      入道前太政大臣


■桜、は3首
61 いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重ににほひぬるかな       伊勢大輔
66 もろともにあはれとも思へ山桜 花よりほかに知る人もなし      大僧正行尊
73 高砂の尾上の桜咲きにけり 外山の霞立たずもあらなむ        前中納言匡房


■まとめ
66番がダブっているので、花&桜で、合計8首。
この内、次の2首はそれぞれ、
29 心あてに折らばや折らむはつ霜の 置きまどはせる白菊の花      凡河内躬恒
35 人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香ににほひける       紀貫之

を歌っています。
ですので、桜(さくら) を歌っている歌は、冒頭の6首となります。



■さくらさくら  YouTube   (異色な曲調を選んでみました)

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