百人一首を覚える やすらはで 59.赤染衛門

■小倉百人一首 59番歌                                        百首一覧

やすらはで寝なましものを小夜更けて かたぶくまでの月を見しかな   赤染衛門

・かな表示
やすらはで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな
・読み
やすらわで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな
・歌人名
あかぞめえもん


■意味
貴方が今夜来ないと分かってたら、ためらわず寝てたのに・・・。
今か今かと貴方が来るのを待ってたら 夜が更けてしまって
西の空に沈んでいく月までも見てしまったじゃないの。もぅ〜貴方ったら・・・。


■解説
やすらはで   … ためらわないで
寝なましものを … 寝てしまえば良かったのに
さ夜      … 小夜。「さ」は接頭語。



赤染衛門(あかぞめえもん、956?〜1041? 、生没年差 85? )
 平安時代中期の人。_ 
 中期を 930〜1060年 の 130余年間として。 (平安時代は 794〜1192年 の 約400年間)_

赤染時用(あかぞめのときもち)の娘。 実父は平兼盛との説がある。(※)
大江匡衡(おおえのまさひら)の妻。
73. 前中納言匡房(大江匡房)は 赤染衛門の ひ孫。
歴史物語『栄花物語』(えいがものがたり)上編の作者とも言われる。

夫の匡衡を妻として賢く支えたことは歴史話で耳にします。
「匡衡とおしどり夫婦として知られ、”匡衡衛門” とあだ名された」
と紫式部が『紫式部日記』に書いてもいるようです。
(この話の補足)
NHKの高校講座 日本史(2008年版)
第8回 藤原氏の繁栄 〜摂関政治と国風文化〜 のビデオサイト (28分ビデオ)
http://www.nhk.or.jp/kokokoza/library/2008/tv/nihonshi/archive/chapter008.html
で赤染衛門夫婦の話が出てきます。
17:00 からの「受領」(ずりょう)に関しての説明部分です。
尾張の受領の話の所で、
18:45 から赤染衛門の話が出てきます。
赤染衛門が和歌の力で夫の危機を救った話。
藤原道長にからめた話。などなど。
23:35 まで平安中期の治世事情の一部が垣間見られ なかなか面白いです。

赤染衛門は、66代 一条天皇(在位:986〜1011、年差25年)の中宮、彰子に仕える。

56番 和泉式部 〜 62番 清少納言まで、
66代 一条天皇 の「皇后 藤原定子」&「中宮 藤原彰子」に使えた女官が続きます。

56 あらざらむこの世のほかの思ひ出に いまひとたびの逢ふこともがな  和泉式部
57 めぐりあひて見しやそれとも分かぬまに 雲がくれにし夜半の月かな  紫式部
58 ありま山ゐなの笹原風吹けば いでそよ人を忘れやはする       大弐三位
59 やすらはで寝なましものを小夜更けて かたぶくまでの月を見しかな  赤染衛門
60 大江山いく野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立        小式部内侍
61 いにしへの奈良の都の八重桜 けふ九重ににほひぬるかな       伊勢大輔
62 夜をこめて鳥の空音ははかるとも よに逢坂の関はゆるさじ      清少納言

この7人だけを見てみても人物関係が面白いです。
和泉式部と小式部内侍は親娘。 (大江家系)
紫式部と大弐三位も親娘。    (藤原北家系)
赤染衛門は、40.平兼盛が「わたしの娘だ!」と主張した その娘さん。(大江家に嫁ぐ)
伊勢大輔は、49.大中臣能宣朝臣の孫。
清少納言は、42.清原元輔の娘。&36.清原深養父のひ孫。

彰子は、藤原道長の長女。(道長は、藤原兼家の五男)  56.和泉式部〜61.伊勢大輔まで
定子は、藤原道隆の長女。(道隆は、藤原兼家の長男)  62.清少納言のみ

百人一首にからむ、藤原北家系 ・ 大江系 ・ 清原系 の系図・系譜
    

※ 40.平兼盛が「赤染衛門の父親」説 の背景
兼盛の妻は、兼盛との離婚の際 妊娠していた。
そして、赤染時用と再婚した後に 娘(赤染衛門)を出産した。
このため、兼盛は「娘への親権」を主張して裁判で争った。
しかし、「兼盛の親権」は認められなかった。



■小倉百人一首が より一層 おもしろくなる ミニ知識

1.小倉百人一首の時代背景・歴史背景、 藤原家系&冷泉家について

2.小倉百人一首 百歌人の 氏・家 系統 分類、 血統つながり
 (概略:多い順並び)
01. 藤原   34人 (筆頭、18番 藤原敏行朝臣)
02. 源    13人 (筆頭、14番 川原左大臣)
03. 皇族   10人 (筆頭、01番 天智天皇)
04. 大江    6人 (筆頭、23番 大江千里)
05. 清原    3人 (筆頭、36番 清原深養父)

06. 小野    2人 (筆頭、09番 小野小町)
07. 良岑    2人 (筆頭、12番 僧正遍昭)
08. 在原    2人 (筆頭、16番 中納言行平)
09. 文屋    2人 (筆頭、22番 文屋康秀)
10. 壬生    2人 (筆頭、30番 壬生忠岑)
11. 紀     2人 (筆頭、33番 紀友則)
12. 平     2人 (筆頭、40番 平兼盛)
13. 大中臣   2人 (筆頭、49番 大中臣能宣)

14. その他  18人 (筆頭、03番 柿本人麻呂)


[その他]グループの歌人は、
「百人一首歌人の中には 同族系統の人 は居ない」 と思われる歌人です。
 
posted by 百人一首散策人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 百人一首を1日1首覚える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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