天皇&親王の8首を除いて、43首です。
■関白太政大臣(1)・太政大臣(2)
■僧正(1)・大僧正(2)
■法師(9)
■大納言(2)・中納言(5)・権中納言(3)
■左大臣(2)・右大臣(2)
■参議(3)
■朝臣(7)
■大夫(3)・従二位(1)
()内の数字は、登場する歌人数です。
職位の分類も人数のカウントもひとつの目安として下さい。
概略把握の参考にしていただければと思います。
■太政大臣
76 法性寺入道前関白太政大臣(藤原忠通 ただみち)
91 後京極摂政前太政大臣(藤原良経 よしつね)
96 入道前太政大臣(藤原公経 きんつね)
■僧正・大僧正
12 僧正遍昭(良岑宗貞 よしみねのむねさだ)
66 大僧正行尊
95 前大僧正慈円
■法師
08 喜撰法師
21 素性法師(良岑玄利 よしみねのはるとし)
47 恵慶法師
69 能因法師(橘永ト たちばなのながやす)
70 良暹法師
82 道因法師(藤原敦頼)
85 俊恵法師
86 西行法師(佐藤義清 のりきよ)
87 寂蓮法師(藤原定長)
■大納言・中納言・権中納言
55 大納言公任(藤原公任)
71 大納言経信(源経信)
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06 中納言家持(大伴家持)
16 中納言行平(在原行平)
27 中納言兼輔(藤原兼輔)
44 中納言朝忠(藤原朝忠)
73 前中納言匡房(大江匡房)
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43 権中納言敦忠(藤原敦忠)
64 権中納言定頼(藤原定頼)
97 権中納言定家(藤原定家)
■左大臣・右大臣
14 川原左大臣(源融 とおる)
81 後徳大寺左大臣(藤原実定 さねさだ)
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93 鎌倉右大臣(源実朝)
25 三条右大臣(藤原定方)
■参議
11 参議篁(小野篁)
39 参議等(源等)
94 参議雅経(藤原雅経)
■朝臣
17 在原業平朝臣
18 藤原敏行朝臣
28 源宗千朝臣
51 藤原実方朝臣 さねかた
52 藤原道信朝臣 みちのぶ
74 源俊頼朝臣
84 藤原清輔朝臣
■大夫・従二位
63 左京大夫道雅(藤原道雅)
79 左京大夫顕輔(藤原顕輔)
83 皇太后宮大夫俊成(藤原俊成)
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98 従二位家隆(藤原家隆)
【補足】
49番歌人 大中臣能宣 または 大中臣能宣朝臣 の
大中臣(おおなかとみ)は氏名(うじめい)のようです。
中納言職に登場する権中納言の「権(ごん)」や、
朝臣(あそん)等など 職名に興味をそそられます。
「権」は、本官と権官をわけるための識別呼称(職位)でしょうか。
「朝臣」は、文字だけからイメージすると「朝廷の臣下(しんか・けらい)」と窺えそうです。
百人一首で12文字と一番長い名前の76番歌人 法性寺さんは
3人の前太政大臣(さきのだいじょうだいじん)の中で
唯一の関白が付きますので、前関白太政大臣(さきのかんぱくだいじょうだいじん)。
そして、この太政大臣の3人はすべて、入道に成る前は藤原姓なのが面白いです。
法性寺さんの僧侶前の名前が藤原忠通です。
この忠通に対して、藤原基俊(もととし)が 75番歌 で
「契りおきしさせもが露を命にて あはれ今年の秋もいぬめり〜」と歌っています。
この他にも、私の印象に鮮明なのは、
小式部内侍の 60番歌 は、
「65番 権中納言定頼が小式部内侍をからかった」 事への返礼の歌です。
百人の歌人間には、血縁関係のほかにも、いろいろと面白い関係の歌人が居ます。